認知症移動支援ボランティア育成講座2020~2021
誰かの「助けて欲しい!」という緊急事態に対して
「地域にいる協力者を募って、皆で助け合える仕組みを作りたい!」
という想いからできあがったプロジェクトです。
詳しくはコチラ▼
*家族の会大阪府支部は、本部とともに、この団体との連携を開始しました。
*この団体は現在、豊中市、吹田市、枚方市、京丹後市、芦屋市と見守りで協定締結を済ませています。
第二回実習報告会無事終了しました
講座参加の皆さんが実習に参加していただき、それぞれがまとめていただき発表する報告会を終了しました。
日時:2022年1月29日(土)14~17時
会場:ドーンセンター 中会議室
この日、1時から会場準備を始めましたが、この地下の会議室だけインターネット接続ができないことが判明し、急きょ4階の中会議室に移動しました。会館側の変更の案内がされず、地下でお待ちいただいた皆さん、申し訳ありませんでした。
さて、報告会は参加者の発表を順に進め、ゆっくりの部屋ピアサポーター元永さんのこの1年の活動を紹介し、なんて大胆な活動を繰り広げて来たかが皆さんに伝わったと思います。
そして、9月の講座の中央大学天田先生の研究室の矢野真沙代さんから高齢の免許返納者の調査結果の分析を紹介いただき、移動支援の課題はここにもあることが示されました。
最後に発表された皆さんに修了証をお渡しして、今期の移動支援ボランティア育成講座の全過程を終了しました。
皆さん、参加ありがとうございました。これからのご活躍を祈っております。
世界アルツハイマーデー記念 第2回認知症移動支援ボランティア育成講座(2021年9月25〜26日)
*この事業は、令和3年度大阪府福祉基金地域福祉振興助成金を活用して行っています。
本人の声
・「電車賃は出すから一人で行っておいで」では、(行きたいと思うイベントに)手を出さなかったかもしれないし、もしかして「なんども行ったからもう大丈夫だろう」と手を離れた瞬間に迷子になってしまうかもしれません。どんな距離でも居てくれれば、その分だけ「荷物」を下ろせます。(大阪市の元永さん)
・認知症の人が行きたい場所へ自由に移動できる移動支援があればすごく良いと思います。私は、認知症になってから一人で外を歩くのがとても怖くなりました。視野は狭くなり、見えているものが錯覚ではないかと感じることもあります。誰かと一緒に外出できれば安心です。(大阪市の澁谷さん)
家族の声
・認知症で要介護3の妻58歳を介護する夫60歳のふたり暮らし。道に迷うので、外出はいつも一緒。最大の悩みはトイレ。妻が駅のトイレを利用する間、夫は入口で待つ。目を離せない。何もできなくてもいい。誰かいてくれれば自分もトイレに行ける。助けてほしい。(堺市のIさん)
・父と私で病院へ行く。焦り、悲しみ。可笑しみ。いろんな感情がでてくる。2人だけの世界になってしまう。あー、こんな時「心配なんです」と言える人が側にいてくれたらなぁ。父に「大丈夫ですよ」と言ってくれる人が側にいてくれたらなぁ。(三島郡の小塩さん)
・認知症に関わる研究や実務の講義を拝聴しとても勉強になりました。第二回目の講習会でも、自分の中で新たな発見があることを期待しとても楽しみにしております。(大阪市の澁谷さん)
ボランティアの声
・家族の介護をするにあたり、第1回目の講座を受け、少し知識を得ただけで、接し方がずいぶん変わりました。自分の経験とちょっとしたヒントを得ると、心が前向きになれます。介護する側、される側という区別が減ったように感じます。(大阪市のTさん)
・Aさんと天王寺公園をお散歩した。小高いところにぼんぼりのように調えられたつつじは燃えるような紅色。Aさんに示すと、「ウァー(き・れ・い)!」と声を上げ、前のめりに走りそうになった。興奮、突発的な言動は想定内としても、リスクを問われると辛い。リスクを踏まえ対策しつつ、共に楽しむ仲間の感覚を大事に移動支援したいと考えます。(吹田市の上條さん)
・この講座は私の「移動」「支援」のそれまでの概念を崩す講座となりました。「移動」とは単に体のAからBに移すことだけなく、認知症の「人」の人生を伴走することなんだと思いました。(西宮市のきなこさん)
世界アルツハイマーデー記念
第2回認知症移動支援ボランティア育成講座
◆会場
〒540-0008 大阪市中央区大手前1-3-49
大阪メトロ、京阪電車「天満橋」下車徒歩約6分
◆日程
第一日目(10:00〜18:00)
久保田翠(認定NPO法人クリエイティブサポートレッツ理事長)
山本秀樹(本町診療所所長・家族の会大阪府支部顧問)
天田城介(中央大学文学部人文社会学科社会学専攻教授)
講師とのディスカッション
第二日目(10:00〜17:00)
麻生武(奈良女子大学名誉教授)&西川勝(元大阪大学コミュニケーションデザインセンター特任教授)&認知症当事者&家族
小林貴代(森ノ宮医療大学作業療法学科 学科長/教授)
神垣忠幸(家族の会大阪府支部代表)
講師とのディスカッション
◆参加費無料
この事業は、令和3年度大阪府福祉基金地域福祉振興助成金を活用して行っています。
◆参加資格
15歳以上の方(未成年の方は保護者の同意書が必要)
◆修了認定
実習を終えた方には修了書を発行します。
◆お申込み方法
◆定員(事前申込みが必要です)
会場参加:80名/オンライン参加:100名
◆ご寄付
大阪府支部へのご寄付を募っています。下記までお願いいたします。
銀行名 :ゆうちょ銀行
支店名 :四一八(ヨンイチハチ)
店番号 :418
預金種目:普通預金
口座番号:90885441
口座名義:シヤ) ニンチショウノヒトトカゾクノカイ オオサカフシブ
講師から皆様へ
天田城介:中央大学社会学部教授
障害者の移動支援をめぐる制度の歴史を紐解ければ、当事者たちが声を上げたことによって障害者の移動支援は少しずつ制度化されてきました。他方で、認知症の高齢者はこうした障害者の移動支援サービスをほとんど使うことができず、家族に頼ることしかできない状況です。介護保険制度では主に通院介助などが想定されており、余暇活動や社会参加の活動が認められることも限定的です。そのため、認知症の人びとへの移動支援はどのように制度化できるか、移動支援技法をどのように考えることができるかについて考えることが大事です。
小林貴代:森ノ宮医療大学保健医療学部作業療法学科長/教授
年を重ねることの「愛しさ(いとしさ)」と、「切なさ(せつなさ)」と、「尊厳」について、誰しもが通る道として、皆様とともに一緒に考えていけたらいいなと思います。人(ひと)の身体機能と認知機能について、認知症というものさしを使って、慮って(おもんばかって)いきましょう。自分のことのように脳の不思議をとらえ、身体の状態をとらえ、目指すべき目標はどこにあるのか、何ができるのかなど、考察していきましょう。
第1回認知症移動支援ボランティア育成講座(2021年2月20〜21日)
第一日
1.講義(30分):鈴木森夫「ガイドボランティアに期待すること」「認知症家族が何を願っているか」
2.グループワーク(60分):それぞれが考える支援の到達点
3.講義(90分):麻生武(奈良女子大学理系女性教育開発共同機構特任教授)×西川勝(元大阪大学コミュニケーションデザインセンター特任教授)「認知症の人とのコミュニケーション」
4.講義(90分):山本秀樹(大阪大学医学部大学院修了 本町診療所 所長)「自覚症状を言語化できない認知症の人の体調の確認」
5.講義(90分):天田城介(中央大学文学部人文社会学科社会学専攻教授)「移動支援の歴史」「障害者と認知症者との違い」
第二日
1.講義(60分):神垣忠幸(認知症の人と家族の会大阪府支部 代表)「期待されるボランティアの姿」
2.講演(80分):認知症当事者と家族と対話「認知症当事者の願い」
3.講義(90分):小林貴代(森ノ宮医療大学作業療法学科 学科長/教授)「認知症者の移動介助の基礎知識(認知の側面から)」
4.講義(90分):小林貴代(森ノ宮医療大学作業療法学科 学科長/教授)「認知症者の移動介助の基礎知識(身体の側面から)」
5. 実習解説と結び(30分):神垣忠幸
■参加資格
・15歳以上の方(未成年者は保護者の同意書が必用)
■講習参加費
・大人1万円
・学生4千円
*交通費、実習のボランティア保険は実費必要です
■修了書発行
・実習報告を終えた方には修了書を発行します