WAD記念第3回認知症移動支援ボランティア育成講座2022
世界アルツハイマーデー記念 第3回認知症移動支援ボランティア育成講座(2022年9月23〜24日)
2020年の春に認知症の人と家族の外出に同行するボランティアを養成することを思い立ち2年が過ぎましたが、その間ずっと私たちは新型コロナウイルスの感染におびえ社交を避けてきました。しかし、だからこそ人と出会い、歓談することの大切さを私たちは再確認したと思います。
そして、この春ボランティアと認知症の人と家族の出会いの中で、思いがけず生まれたものは友情でした。互いがお友達になり、交流が始まったのです。ボランティアという行動が与えてくれる最も素敵な贈りものが実は"友達"であることを私は知りました。次に贈りものを受け取るのは、あなたかもしれませんね。
公益社団法人認知症の人と家族の会 大阪府支部代表 神垣 忠幸
*この事業は、令和4年度大阪府福祉基金地域福祉振興助成金を活用して行っています。◆日程
第一日目(10:00〜17:00)
鈴木森夫(公益社団法人認知症の人と家族の会代表理事)
堀田聰子(慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科教授)
麻生武(奈良女子大学名誉教授)&西川勝(元大阪大学コミュニケーションデザインセンター特任教授)
セッション
第二日目(10:00〜18:00)
天田城介(中央大学文学部人文社会学科社会学専攻教授)
小松理虔(ローカルアクティビスト)
小林貴代(森ノ宮医療大学作業療法学科教授)
神垣忠幸(公益社団法人認知症の人と家族の会大阪府支部代表)
セッション
◆会場
〒540-0008 大阪市中央区大手前1-3-49
大阪メトロ、京阪電車「天満橋」下車徒歩約6分
◆受講料
一般:2千円 / 学生:無料
◆参加資格
15歳以上の方(未成年の方は保護者の同意書が必要)
◆修了認定
実習を終えた方には修了書を授与します。
認知症ケア専門士3単位が取得できます。
◆お申込み方法
◆定員(事前申込みが必要です)
会場参加:80名/オンライン参加:100名
◆ご寄付
大阪府支部へのご寄付を募っています。下記までお願いいたします。
銀行名 :ゆうちょ銀行
支店名 :四一八(ヨンイチハチ)
店番号 :418
預金種目:普通預金
口座番号:90885441
口座名義:シヤ) ニンチショウノヒトトカゾクノカイ オオサカフシブ
講師から皆様へ
天田城介:中央大学文学部人文社会学科社会学専攻教授
障害者の移動支援をめぐる制度の歴史を紐解ければ、当事者たちが声を上げたことによって障害者の移動支援は少しずつ制度化されてきました。他方で、認知症の高齢者はこうした障害者の移動支援サービスをほとんど使うことができず、家族に頼ることしかできない状況です。介護保険制度では主に通院介助などが想定されており、余暇活動や社会参加の活動が認められることも限定的です。そのため、認知症の人びとへの移動支援はどのように制度化できるか、移動支援技法をどのように考えることができるかについて考えることが大事です。
小林貴代:森ノ宮医療大学保健医療学部作業療法学科教授
年を重ねることの「愛しさ(いとしさ)」と、「切なさ(せつなさ)」と、「尊厳」について、誰しもが通る道として、皆様とともに一緒に考えていけたらいいなと思います。人(ひと)の身体機能と認知機能について、認知症というものさしを使って、慮って(おもんばかって)いきましょう。自分のことのように脳の不思議をとらえ、身体の状態をとらえ、目指すべき目標はどこにあるのか、何ができるのかなど、考察していきましょう。
本人の声
・「電車賃は出すから一人で行っておいで」では、(行きたいと思うイベントに)手を出さなかったかもしれないし、もしかして「なんども行ったからもう大丈夫だろう」と手を離れた瞬間に迷子になってしまうかもしれません。どんな距離でも居てくれれば、その分だけ「荷物」を下ろせます。(大阪市の元永さん)
・認知症の人が行きたい場所へ自由に移動できる移動支援があればすごく良いと思います。私は、認知症になってから一人で外を歩くのがとても怖くなりました。視野は狭くなり、見えているものが錯覚ではないかと感じることもあります。誰かと一緒に外出できれば安心です。(大阪市の澁谷さん)
家族の声
・認知症で要介護3の妻58歳を介護する夫60歳のふたり暮らし。道に迷うので、外出はいつも一緒。最大の悩みはトイレ。妻が駅のトイレを利用する間、夫は入口で待つ。目を離せない。何もできなくてもいい。誰かいてくれれば自分もトイレに行ける。助けてほしい。(堺市のIさん)
・父と私で病院へ行く。焦り、悲しみ。可笑しみ。いろんな感情がでてくる。2人だけの世界になってしまう。あー、こんな時「心配なんです」と言える人が側にいてくれたらなぁ。父に「大丈夫ですよ」と言ってくれる人が側にいてくれたらなぁ。(三島郡の小塩さん)
・認知症に関わる研究や実務の講義を拝聴しとても勉強になりました。第二回目の講習会でも、自分の中で新たな発見があることを期待しとても楽しみにしております。(大阪市の澁谷さん)
ボランティアの声
・家族の介護をするにあたり、第1回目の講座を受け、少し知識を得ただけで、接し方がずいぶん変わりました。自分の経験とちょっとしたヒントを得ると、心が前向きになれます。介護する側、される側という区別が減ったように感じます。(大阪市のTさん)
・Aさんと天王寺公園をお散歩した。小高いところにぼんぼりのように調えられたつつじは燃えるような紅色。Aさんに示すと、「ウァー(き・れ・い)!」と声を上げ、前のめりに走りそうになった。興奮、突発的な言動は想定内としても、リスクを問われると辛い。リスクを踏まえ対策しつつ、共に楽しむ仲間の感覚を大事に移動支援したいと考えます。(吹田市の上條さん)
・この講座は私の「移動」「支援」のそれまでの概念を崩す講座となりました。「移動」とは単に体のAからBに移すことだけなく、認知症の「人」の人生を伴走することなんだと思いました。(西宮市のきなこさん)
誰かの「助けて欲しい!」という緊急事態に対して
「地域にいる協力者を募って、皆で助け合える仕組みを作りたい!」
という想いからできあがったプロジェクトです。
詳しくはコチラ▼
*家族の会大阪府支部は、本部とともに、この団体との連携を開始しました。
*この団体は現在、豊中市、吹田市、枚方市、京丹後市、芦屋市と見守りで協定締結を済ませています。